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4月10日(水)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 4月10日(水)14時07分38秒
編集済
  今日は一転して真冬の寒さになった。関東地方も山沿いでけっこう雪が降っている。
新1万円札の顔に渋沢栄一、同じく5千札に津田梅子、千円札に北里柴三郎が決まった。渋沢栄一は現在の埼玉県深谷市の出身だが、早く顔が見たいものだ。5年後の発行なんて遅すぎるぞ!(笑)。
昨日は天気も良かったので、久しぶりに高田馬場へ行く。早大卒の同窓生で内輪のクラス会をやろうというので、幹事の自分が某イタリアン・レストランの下見をした。まずまずの所だ、そこにしよう。
 
 

啓太がゆく・第3部(警視庁の記者時代)(71)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 4月 9日(火)04時13分47秒
  啓太はしばらく考えてから言った。
「それでは5月の中頃までに送別会をやりましょう。場所は霞が関ビルのレストランではどうですか?」
「ええ、お任せします」
京子の返事を聞いたあと少し雑談を続けたが、やがて啓太は電話を切った。霞が関ビルのレストランは前年の10月に行ったところだが、ビルの最上階の36階にある。ここなら京子との送別会に最もふさわしい場所ではないかと、啓太は納得したのである。

ちょうどそのころ、同僚の坂井則夫が婚約したと聞いて、啓太は多少うらやましく思った。相手は、日ごろ付き合っているSHIRAYURI(白百合)女子大卒のお嬢さんだ。
「則ちゃんは順調にいったね。おめでとう、うらやましいよ」
「いや~、僕は啓ちゃんより年上だからね。そろそろ年貢の納め時だよ、はっはっはっは」
「年貢の納め時か、よく言うね。いつごろ結婚式を挙げるの?」
「そうだね、秋口かな」
啓太と坂井のやり取りを聞いていた辰野が口を挟んできた。
「山本君はどうなんだ、好きな子がいるんだろ?」
「いや、僕はまだですよ。坂井君と違って相手がいないから」
「結婚なんて“出会い頭”にするようなもんだ。考えたって仕方がない。ヨーイドンで走り出すようなものさ」
「そんなものですか」
辰野キャップは2年前に結婚したばかりである。ごく若いころ女性問題でいろいろあったらしいが、2年前、見合いで一気に“ゴールイン”したのだ。結婚は“踏ん切り”をつけることだと日ごろから後輩の記者によく言っていた。彼なりの結婚観と人生観があるのだろう。
しかし、啓太は京子のことを思い出すと、そう簡単に踏ん切りをつけることはできない気がする。彼女がマレーシアから帰るのをじっと待つのか、それとも諦めるのかは成り行き次第のように思えてくるのだ。
自分は本当に京子を愛しているのだろうか。彼女が素晴らしい女性だから、ただ憧れ慕っているだけではないのか。彼女と人生を共にするとなると、人生観や環境があまりに違っているのではないか。
2年後に京子が帰国した時のことを、今からあれこれ想像することはできない。彼女は海外での経験で大きく変わっているかもしれない。啓太は結論を出せないことを自問自答している己(おのれ)を意識した。それでも、自分は京子に惹かれるのか・・・ (続く)
 

啓太がゆく・第3部(警視庁の記者時代)(70)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 4月 4日(木)12時05分50秒
  「景子は意外と料理が上手なのよ。啓太さん、どうぞ召し上がれ」
坂田のおばさんが促すので、腹が減った啓太は海苔巻きから手を出した。他の3人もそれぞれ料理に手を付けたが、啓太は別に旨いとも美味しいとも言わなかった。無愛想な彼は、仕方なく食べてやっているのだという態度を示したのである。
結局、久乃とおばさんだけが雑談を続けて、啓太と景子は一言も口を利かなかった。ただ、2人の雑談で、彼女は某銀行に採用され仕事を始めたばかりだと知った。銀行の窓口業務である。景子は中肉中背の容姿で、顔立ちはすっきりしていて少しも嫌味がない風に見えた。そして、坂田のおばさんと景子は1時間余りいたあと帰っていった。
「どう? あの姪御さんは」
「うん、感じの良い子だね。でも、こちらは仕事で忙しいから別になんとも思わないよ」
「そう、また気が向いたら教えて」
久乃は啓太の帰り際に預かっていた洗濯物を渡した。洗濯物が2人の“絆”になっているのだ(笑)。このやり取りがあるから、啓太は浦和の実家に時々戻る。洗濯物がなければ、帰ることはほとんどなかっただろう。

その直後、北区赤羽の殺人事件で犯人が逮捕され一時的に忙しかったが、啓太は頃合いを見て京子の自宅に電話をかけた。
「あなたが外国へ行く前に、送別会を兼ねて食事をしましょう。どうですか?」
「ありがとうございます」
「ところで、行き先は決まったのかしら」
「ええ、マレーシアになるそうです」
「えっ、フィリピンでなくマレーシア?」
京子の返事を聞いて、啓太は少し意外に思った。彼女はフィリピンを第1志望にしていたはずだがどうなったのだろうか。
「ええ、『海外技術協力事業団』というのがやっているのですが、そこの話では、フィリピンでは日本語教育の受け入れ先がまだないそうです。その点、マレーシアには女性隊員でも受け入れ先がいくつかあるようで、結局 そうなったのでしょう」
「そうか、まあフィリピンでもマレーシアでもどちらでも良いでしょう。現地で日本語を教えるのだから。それで、いつごろマレーシアへ行くのかしら」
「来月10日に総選挙があるというので、それが終わってからになります」
「じゃあ、5月中ということですね」
「ええ、たぶん」(続く)
 

啓太がゆく・第3部(警視庁の記者時代)(69)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 3月31日(日)15時26分20秒
編集済
  そんな日々を送っているうちに、母の久乃からアパートに電話が入った。
「今度の日曜日は来れるでしょ? 坂田のおばさんがぜひ紹介したいという女性を連れてくるのよ」「えっ、女の人?」
啓太はびっくりして聞き返した。
「そう、おばさんの姪御さんですって。先月、GAKUSYUIN(学習院)の女子短大を出たばかりよ。熱心におっしゃっているから、一度 会ってみない?」
「う~ん・・・」
啓太は返事に困った。坂田のおばさんとは父・国義の友人の奥さんで、日頃から啓太の将来についていろいろ心配してくれている人だ。いわば“世話好き”で面倒見の良い人だが、昔はそういうお年寄りが多くいたものだ。
啓太は少し厄介だなと思ったが、おばさんの姪となると無下(むげ)に断るわけにもいかない。それに若い女性には関心があり、気分転換にもなりそうだ。京子のことで複雑な気持になっているのも事実で、せっかくの話だから会ってみるのもよいかと思った。
「うん、会うだけならいいさ、それだけだよ。他に何も考えていないけど」
彼はそう答え電話を切った。
そして翌日、今度は京子からアパートに連絡が入った。
「ご心配をおかけしましたが、協力隊の試験に合格しました」
「それは良かった、おめでとう!」
啓太は素直に答えて、彼女の合格を祝福した。京子の明るい声を聞いて彼も安堵したような気持になったが、電話を切ると、これで彼女とは本当に“2年間”も会えなくなるという思いに沈んだ。

やがて27日の日曜日がやってきた。啓太は浦和の実家に帰ることになったが、いざとなると気が重くなってくる。坂田のおばさんの姪に会うのが億劫に感じられるのだ。要するに簡単な“見合い”のようなものではないか。
そんなものはまだ早いという思いに囚われて、啓太はアパートでぐずぐずしていた。しかし、時間が経つにしたがって、彼は仕方がないと諦め実家へ戻ることになったのである。
家に着くと予定の時刻をだいぶ過ぎていた。坂田のおばさんと姪はとっくに来ていたらしい。
「遅いじゃないの」
リビングに入ると、久乃が待ちわびたように言った。啓太がおばさんたちに挨拶して着席すると、テーブルの上に風呂敷包みが置かれている。
「これは景子さんがつくった稲荷鮨と海苔巻きですって。お腹(なか)がすいたでしょ、さあ、いただきましょう」
久乃はそう言うと風呂敷包みを開け、中のものを取り出した。(続く)
 

3月30日(土)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 3月30日(土)10時44分3秒
  どんよりとした曇り空、気温も低い。この辺の桜の満開は来週だ。
今週は貴景勝の大関昇進があったが、あさって、いよいよ「新元号」が発表される。このところ大いに話題になっているが、千数百年続いている元号だから仕方がないだろう。新元号で気分一新だ。
統一地方選挙が始まったが、県議選などは無投票当選の割合が26,9%と大幅に増えた。立候補者数が過去最小で、議員へのなり手が少ない。ここも“人手不足”か(笑)。定数を減らせばいい。
最近、人名だけでなく普通名詞も思い浮かばないことがある。「カラオケ」とか「前立腺」が出てこないようでは認知症の一歩手前だ!(爆)
 

啓太がゆく・第3部(警視庁の記者時代)(68)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 3月28日(木)10時13分24秒
  (27)別れ

こうして事件が続いたこともあって、2人のデートは持ち越しとなった。そして、京子は4月中旬の“受験”へ向けて最後の段階に入ったので、啓太はつとめて連絡を取らないようにした。
そうした間に、ある日、啓太は白鳥邦雄と話す機会があった。それは辰野キャップの代理で警備部長の懇談に出席した際、彼は邦雄と同席し帰りにお茶でも飲もうかということになった。邦雄は以前と違って啓太に妙に優しい感じになっており、どちらからともなく、警視庁近くの喫茶店に行くことになったのである。
「この前は失礼しました。京子さんはいま大変ですね」
「いや、それほどでもないですよ。目標がはっきりしているから、やり甲斐があるのでしょう。山本君のことも少し聞きましたよ」
「そうですか・・・」
2人は座席に着くとコーヒーを注文して雑談を始めた。邦雄は微笑みながら語りかけてくる。先日 会った時とはえらい違いだ。
「京子はフィリピンかマレーシア辺りで日本語を教えたいと言っていたな。まあ、父親があの辺で戦死したからでしょう」
「そうですか、うまく行くといいですね」
「うん、それなりに勉強していたから」
こう言って、邦雄は珍しくタバコをくわえて一服した。啓太はタバコを遠慮して、話を学生運動や警視庁の公安・警備の雑談に持っていった。これは邦雄が最もよく知る事柄だから話がはずんでくる。
「でも、オフレコのことは話せないよ、はっはっはっは」
邦雄はそう言って笑ったが、満更でもない様子だった。啓太も学生運動のことは多少知っているので、コーヒーを飲みながら雑談を楽しんだ。こうして京子の兄となごやかなな一時を過ごすことができ、啓太は満足したのである。

そして、京子が青年海外協力隊の応募試験を受けた直後に、彼女から電話が入った。
「試験が無事 終わりました。発表は今月下旬になるそうです」
「そうですか、きっと合格しているでしょう」「ええ、まあ」
京子はあいまいに答えたが、啓太は彼女の合格を信じていた。彼が邦雄と会った話をすると、京子もそれは聞いていると明るい声で返事をした。 ただし、ちょうどその頃、北区の赤羽と狛江市(当時は狛江町)で相次いで殺人事件が起き、啓太はまた忙しい最中にあったのである。(続く)
 

啓太がゆく・第3部(警視庁の記者時代)(67)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 3月24日(日)11時31分22秒
  そして4月第1週のある日、彼は京子の自宅に電話をかけた。すると母の寿恵が出てきてすぐに京子に替わってもらったが、彼女の実家に電話をすることは滅多になかったことだ。
「この前はすみませんでした。いろいろはっきりと申し上げて、気分を害されたでしょう。申し訳ありませんでした」
「いやいや、とんでもない。僕の方こそわがままなことを言って、あなたを困らせたみたいですね」
京子の方から詫びを言ったので、啓太もすぐに返事をした。このあと、彼は翌週の始めにも会いたいと述べ、とりあえず場所を、半年ほど前に2人が初めてデートした御茶ノ水の喫茶店『S』ではどうかと聞いた。『S』なら彼女も来やすいと思ったからで、京子も承諾したので、いちおう4月7日(月曜)の夕方に会うことに決めた。
デートのあと、啓太は彼女と食事をすることを考えていたが、京子は青年海外協力隊の応募試験が迫っているし、彼の方もいつ事件などが起きるか分からない。その日の都合であとは判断しようと思った。 こうして啓太はデートの約束を取り付け、久しぶりに晴れやかな気分になったのである。

ところが、4月7日と9日に2つの大事件が急展開を見せた。1つは4人が殺害された連続ピストル射殺事件の犯人・永山則夫(19歳)が東京都内で逮捕されたこと、もう1つは3億円盗難事件で犯人に使われたカローラが都内の団地で発見され、3億円が入っていた3つのジュラルミンケースが空っぽで見つかったことだ。
こうなると、もちろんデートどころではない! 7日の午後、啓太はすぐに京子の自宅に電話をかけ延期を伝えようとしたが、彼女はもう家を出ていた。彼は永山則夫がピストルを持って押し入った千駄ヶ谷の専門学校などを見て回り、夕方のニュースでレポートをした。
そして、喫茶店『S』に電話を入れ店員にあとで白鳥京子を呼び出し、デートが延期になったことを伝えてくれと言(こと)付けた。(携帯電話がない時代はなんと不便だったことか!)
啓太はこのあと夜遅くまで取材を続け、翌日、合間を見て京子に電話をしデートを延期したことを謝った。
「大変でしたね。ご苦労さまです」
京子はそう言って理解を示したが、4月中旬に青年海外協力隊の選考試験があるため、次のデートは未定のままにしておくことになった。
「悪かったね。協力隊の試験は頑張ってください」
啓太は素直な気持で京子を励まして電話を切った。ところが、その翌日(9日)、今度は小金井市の団地駐車場から、3億円盗難事件で犯人が使ったカローラが発見された。
この日、啓太は泊まり勤務だったため、田端のアパートでゆっくりしていたところを呼び出され小金井市の団地に向かった。その駐車場には問題のカローラが置き去りにされ、3億円が入っていた3つのジュラルミンケースを開けたところ、中はまったく空っぽだったのである。(続く)
 

啓太がゆく・第3部(警視庁の記者時代)(66)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 3月21日(木)10時44分54秒
  3月も下旬になると、桜が咲く季節になった。警視庁に近い皇居のお堀の周りも、華やいだ雰囲気になる。啓太は出勤の途中などに桜の花を目にするが、心はどことなく沈んでいた。彼はできるだけ京子のことを気に留めないようにしたが、彼女の“幻影”が脳裏から離れないのだ。
ある日 記者クラブでぼんやりしていると、辰野キャップが声をかけてきた。
「山本君、少し元気がないようだな。どうかしたの?」
「いや、なんでもないですよ」
「そうか、それならいいが、あの栗橋小巻が今日 中央大学の学生集会に現われるそうだぞ。行ってみないか」
「えっ、栗橋小巻が?」
「ああ、そうだ、そこへ行って君は『FUJIテレビの山本です!』と名乗ればいい。どうだ、行ってみないか」
啓太はすぐに返事ができなかった。栗橋(くりはし)小巻と言えばこの当時、吉永ゆかりと並んで最も人気のある若手女優の1人だ。彼女を真近で一目見るのは良いが、辰野はどうしてそんなことを言うのだろうか。
彼は“テレビ的”な人間だから、よくそんなことを言う。しかし、仕事や取材とはまったく関係ないだろう。しばらくして、啓太が答えた。
「遠慮しますよ。だって、仕事とは関係ないですから」
「なんだ、せっかく言ってやったのに。“業務命令”でも駄目か?」
「その業務命令はおかしいですよ」
啓太がそう答えると、側にいた坂井が口を挟んできた。
「啓ちゃん、せっかくの話だ。行ったらいいじゃないか」「いや、いいよ」
「ふん、山本は硬いな」
そう言って辰野は苦笑したが、啓太も自分は意固地(いこじ)で少し偏屈だと思った。せっかくのチャンスだから、中央大学のキャンパスへ行って栗橋小巻の姿を一目見るのも良いと思うが、それが目的なら仕事ではないはずだ。しかし、中大の過激派学生の動向は探れるだろうに・・・
そんな自問自答をしていると、辰野がまた話しかけてきた。
「いいか、4月の(番組)改編でニュース枠はさらに広がる。放送記者は原稿さえ書いていれば良いというものではない。テレビに出てしゃべる時間が確実に増えてくるのだ。
これからは中継が増えるぞ。だから、いつも“スタンバイ”している必要がある。テレビもそういう時代に入ったのだ」
放送事情にくわしい辰野ならではの話だ。啓太もそういうことは分かっていたが、無骨な自分がそれに対応できるのか少し不安になってくる。すると、坂井も同様の気持だったのかこう言った。
「僕はしゃべるのは苦手だが、仕方がないですね。カメラの前で大いに話す訓練をしなくちゃ」
「うむ、そういうことだ。特に君たちのような若手記者はカメラの前で話す機会が増えてくる。それに対応しなくてはならないぞ」
辰野と坂井が話しているのを啓太は“よそ事”のように聞いていた。彼はやはり、白鳥京子のことが頭から離れないのだ。このところ彼女に対して遠慮がちだったが、啓太はもう一度電話をかけて4月の上旬にも会おうと心に決めた。(続く)
 

3月18日(月)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 3月18日(月)14時03分48秒
  素晴らしい天気なので散歩をする。最近は日光がまぶしくて、サングラスをかけていないと無理だ。やむを得ない。
先日、またパソコンが不調になり長男に直してもらった。今度は接続ミスのようだが、メカに弱いので苦労する。近くディスプレーを変えるつもりだ。
カルロス・ゴーン氏は記者会見を開くと弁護士が言っていたが、どうなっているのか。日産から干されたので止めたのか?
小説『啓太がゆく』は最終コーナーに来たが、けっこう前のストーリーを忘れている。もう一度、見直しだ。
大相撲大阪場所は白鵬が8戦全勝でトップ、鶴竜らが7勝1敗で追っている。逸ノ城も珍しく1敗のグループだが・・・
 

啓太がゆく・第3部(警視庁の記者時代)(65)

 投稿者:矢嶋武弘  投稿日:2019年 3月17日(日)11時18分46秒
  それから数日して、啓太は『女性の未来社』に電話をかけ京子と話した。
「もうすぐそちらの出版社を辞めるのでしょ?」
「ええ、今は残務整理の真っ最中です」
「ところで先日、あなたのお兄さんと会って少し話をしたけど」
「えっ? そうですか、それは聞いていません」
啓太は京子が知らなくてほっとした。邦雄が彼女に話したのであれば碌(ろく)な話ではないだろう。彼が余計なことを妹に言わなかったことに安心したのだ。
「それより、準備は進んでいますか?」
「ええ、まあなんとか。4月中旬に選定試験があります。倍率はどのくらいか知りませんが、女子の受け入れ先は少ないようですよ」
「いや、あなたならきっと大丈夫ですよ。真面目に鋭意 取り組んでいるのだから」
啓太は心にもないお世辞を言ったような気がした。しかし彼は、京子ならほとんど問題もなく青年海外協力隊に合格するだろうと思った。それほど、彼女の資質と前向きな姿勢を評価していたからだ。だが、次の話に彼は愕然とした。
「あの~、この前は任期が1年のようなことを言いましたが、2年になるそうです」
「えっ、2年だって? 2年も行くのですか」
啓太は驚いて問い返した。任期が1年なら、我慢すれば時間はわりと早く経つだろう。しかし、2年となるとそうはいかない。相当に長い期間だ。自分は30歳に京子は27歳になってしまう。そんなに長い間 彼女の帰国を待たなければならないのか・・・
「ええ、2年だと聞きました。つい最近 分かったことです」
京子の落ち着き払った返事を聞いて、啓太は絶句した。2年間も彼女に会えないまま自分は過ごすのか。 啓太はそれ以上 京子と話す気力が失せていくのを感じた。彼が無言でいると、京子が笑って答えた。
「でも、2年って案外と早いものですよ」
「いや、2年は長いですよ・・・」
ようやく啓太が答えたが、彼は1年なら我慢するが、京子と2年も会えない生活には耐えられないと思う。2年は1年の倍なのだ! この前、彼女に“末永い契り”などと古臭いことを言ったのは偽(いつわ)りだったのか? 今度は京子が黙ってしまった。
「僕は待ちきれないな」
啓太が追い打ちをかけるように言うと、今度は京子がはっきりと返事をした。
「仕方がないですわ、私は2年でも3年でも構いません。特に日本語教育なら何年いても結構です。あの~、残務整理の真っ最中ですから、また日を改めて話をしませんか」
彼女から突き放すように言われて、啓太はようやく我に返った感じだ。
「ええ、また連絡をします。できれば桜が咲くころに会えるといいな。遅くても4月の上旬までに会いませんか」
「ええ、いいですよ。ご連絡をお待ちします」
最後は事務的な感じで終わったが、啓太は電話を切ると思わず溜め息をついた。それは失望の念だったのか・・・ (続く)
 

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